生活の習慣の中で心をつなぐもの

 最近、家に帰ると娘が食器を洗ってくれている。と妻が言った。仕事で疲れて帰ってくる妻にとって、とても助かっているようだった。久々に娘に会った今日、そのことを娘に伝えた。娘は少し胸を張って嬉しそうにしていた。

 

 ふと見ると、洗濯物が干されて乾いたまま吊り下がっていた。さっそく娘と息子を呼んで、一緒に片付けてさらに洗濯済みの濡れた衣類を一緒に干すように言った。自分の服くらいは整理整頓してくれやと笑うと、じゃあ自分以外のは整頓しなくてもいいよね!と息子が言ってくる。ふざけんな、それやったら俺もご飯も俺の分だけ作ってお前ら子供の分は作らんぞ!と返す。言い負けた!という顔をして息子が手伝う。そんな感じで洗濯物は3人が協力するとみるみる片付いていった。

 

 私が家を出る時、子供達を見送りに呼びつける。ゲームをしていて見送らなかったことがあり、その時に怒鳴りつけたことがある。それ以来、1度呼んでダメでも2度目に強く呼ぶと渋々見送ってくれる。渋々でも見送ることが大事だと思っているのでこの習慣は続ける。そういう私は妻が仕事へ向かおうと家に出る時にうんこをしていたので見送らなかった。妻も笑いながら「こんな状態でなんだけど、今から行くね」と言って出て行った。でも仕事場に着いてから妻は「さっきはちゃんとした見送りじゃなかったから顔だけでも見たい」とテレビ電話をしてきた。

 

 いつも見送りをするときはお互いぎゅっと抱きしめ合い、目を見つめて話し、キスをして、お互いの無事を祈る言葉を交わして、そして見送り終わる。このルーチンが妻に効いているんだなあと、ふと思った。