ネタをメモったって後で書く気はしねえよ! っていう話

 仕事中は暇なので、色々思いを馳せる。せっかくなのでメモを取って後でブログのネタにしようとか思うのだが、仕事が終わったら終わったでブログを書くよりも楽しいことをしたくなる。こうやって1日1日過ぎていく。

 

 メモは紙で取る。スマホだと仕事をサボってる感が出てきてしまうからだ。数年先ではそんなことないのかもしれないが、2021年現在ではまだそんな空気のある業界だ。そしてスマホのメモって思ったほど見返さないし、ネタっていうのは思いついた時が一番アツく語れてしまうもので、時間が経った後に見返すと結構陳腐に見えてしまうのだった。また、アカウント引き継ぎをミスするとデータが丸ごと消えてしまう。そんなことも経験した。なので結局今は手書きのメモに戻っていた。ただ、前のようにメモを何日も溜め込んで後日見直そうと考えて、その後日とやらが永遠に来ない、なんてこともたくさんあったので、書いたメモは当日消化してしまうことに決めた。暫定そう決めた。

 

 家に帰るとまた好き勝手なことをしてしまいそうなので、喫茶店へ向かった。「シロノワールというデザートのある店。最近このシロノワールにまたハマっている。パイ生地系の土台にソフトクリームが乗り、メープルシロップを注いでいく。絶妙な味。数日に1回、お店に向かっている。飽きるまでしばらく続きそうだ。

 

 デザートを堪能した後、メモを見返す。

ー やりたいこと ー

・BASEでお店を作る

・動画を作りたい。

・「15秒動画 続きは乞うご期待」

・「15秒笑いネタ、30秒笑いネタ」

・薬をとっつきやすく話す

・麻雀

・スタッフ募集、特に動画に出てくれる若い女

 

ー ネタ ー

・異性と仲良くなる過程で、恋って邪魔

・「40代だけど気持ちは20代!」とか、ない。おまえは40代。俺たちを一緒にすんな

・「ベネットが逆に胃から口へ飛び出すから、と説明されたけど、それくらい錠剤硬いの?

・距離感がバグってる、めんどくさい女

・特濃牛乳が安い

 

 メモはこれだけ。それぞれにエピソードがあるので、全て語って更新してやろうかなとは少し思うけど、実際支配している気分は「ああこんなことがあったな」という感じで、どれも熱く語るほどのものはない気がしていた。友人や家族が近くにいれば、もちろんこれらのネタ話をしていただろう。でもブログにわざわざ書くほどのものか、と言われると、まあ書いてもいいけど面倒だな、という感じだ。

 

 たぶん、ここに書いても反応がないからなんだろう。直接話してる人は反応せざるを得ないから、私のために反応してくれているわけなんだけど、要はそんな相手がいないと話しがいがないということか、ということに気づいた。今でいう「承認欲求」ってやつか? でもそんな大袈裟なもんでもない。目薬のサンテFXレバレッジをかけてみようと思うんだ! と熱っぽく話して、相手がクスリと笑ったら勝ち。といった感覚。聞いてくれて、反応してくれりゃいい。この一連の流れにおいてはまだ、ネットよりもリアルの方が優れるように感じる。

 

 最近私の視界に入るネットの世界は、まじめなものが多い感じがしてつまんない。サンテFXレバレッジをかける、なんてギャグは大したことないギャグだ。ネットで流しても反応ひとつない。でもリアルでそんなしょーもないネタをブチかまされたら反応せざるを得ない。「無視」という反応も含めて。その反応の先には「仕方のない奴だなあ、一包化は」という和んだ感じで落ち着く。それがいい。

 

 そんな感じで、メモに書いたことからどれか熱く語ろうと思ってたけど、やめた。やめたけど、やめることになるのは予想外だったな。自分で少し笑ってしまった。

 

 椅子の座り心地が良くないのか、若干腰が痛くなったように感じる。腰といえば、そういえば仕事中に「整形外科領域の慢性疾患は、治療法というより寛解法なので、結局病気と一生付き合っていかないといけない理不尽」についても考えていたな。結局、予防医療が最強なのだ。膝が痛くなったら痛み止めが処方される。痛み止めを飲めば、痛みがなくなる。ところが痛みがなくなればOKとはならないのが罠で、痛み止めの効果が切れれば痛みは復活するのだ。つまり元が治ってないことになる。でも元を治すには手術などを伴うものが多く、簡単に始められないことが多い。膝の場合は治療法もあるにはあるが、何ヶ月、何年と時間がかかってしまうこともあり、安易に健康食品に走ってしまう人が後を絶たないのも理解できてしまう。

 

 だからそんな思いをしない為には予防医療。病気にならない。病気になるのを防ぐ。これが最強なのだ。ところが人間というのは病気になっていない若い頃には病気を予防しようという気分にならない、弱い生き物なのだ。予防医療には最低限の知識と継続する強い意志がいるからだ。そんなの自分に甘い生き物に課すのは難しい。ダイエットが安易で無意味な方法にすがりがちなのと同じだ。

 

 シロノワールを食べながらネットを見ていたら、おもしろそうな本の宣伝があった。後で本屋に寄ってみることにした。妻から「週末は日直なのね」とメッセージが来た。日直は夕方に仕事が終わる。その後にそっちに移動して一緒に週末を過ごすつもりだよ、と返した。「りょ!」と返ってきた。その返事の先にある妻の笑顔を想像した。時計はまもなく19時を示していた。