大きくなった娘、まだまだ小さい娘

 物忘れがひどくなった。それに、覚えているのも面倒になった。娘が目の前でけらけら笑ったり、話したり、遊んだりしている時、その時に感じる自分の感情を逐一残しておきたいと思う。ところが実際、このように文字を打ち込んでいく時、手が止まる。自分の気持ちがこもっているからだ。自分の気持ちを最もよく表現している文章を打ち込みたいのだ。そういった完璧主義の考えが、中途半端な自分の文章を許せなくて、手が止まる。で、文章を打ち込むのが面倒になる。

 

 そんな思いに抵抗しながら、日々感じることをできるだけ素直な気持ちで残していこうと努力する。なかなか難しい。でも、少しずつ感情的な文章が書ければいいなと思う。

 

 先日開催された娘の運動会。立ち上がる娘の姿には貫禄が出ていた。大きくなったな。そう思った。家族の中で一番小さい娘。一番年下だから仕方のないことなのだが、娘以外の3人は全員160cmを超えてしまったので、130cm台の娘が相対的に際立って小さい存在になっており、娘自身も「わたしも早く大きくなりたいな」と言っていた。そんな娘を普段見ているものだから、運動場で競技を終えて凛々しく立っている娘を見て、大きくなったな、という主観に特別な思いがこもった。

 

 撮影した動画を妻に見せた。妻は「娘ちゃん、ちっさいね!」と笑った。実際娘は他のクラスメートに比べて背が低かった。その客観と自分の主観のずれが滑稽に思えた。なので私からは「あー、ちっさいかー。なるほどなー。確かになー。」という言葉が出た。