別居してそろそろ3年です

 スタッフと子育ての終わる年齢について話していて、自分は53歳で子育てが終わるからあとは楽な人生になるけど、40歳で子供ができたら収入増えた分全部子供に行って自分達は朽ちて死ぬから大変だとかいう話になっていた。すると、それを言われた側は子育て早々に終わらせても愛想尽かされて離婚されるでと反論していた。なんでも3年間別居していたら片方の意思だけで離婚できるらしいからとも言ってた。本当かどうか知らないけれど、ふと思い返したら自分も別居を始めてからこの3月末で丸3年になる。


 もう3年経ったか。これが素直な感想だ。


 なぜ別居を選んだか。妻は家業を継ぐためには地元へ戻る必要があったが、私が仕事の地の利を活かして高収入を維持したかったから、先に妻を地元の都会に移し、頃合いを見て私も田舎を捨て都会で人生を楽しもう、その時再び一緒に暮らそう。そう約束して別居生活は始まった。私はそのように捉えていたが、妻の捉え方は異なっていた。妻は自分が家業を継ぐワガママに夫を無理に付き合わせるわけにはいかない、収入を維持しながら私が家業を継ぐためには別居は仕方のないことなんだと考えていたようだった。こうしてお互いが思い遣り合った別居生活が始まった。


 あれから3年。下の娘が目の離せない小学2年生から大人の階段を登り始める小学5年生になる。子供が10歳に乗る頃には生活の全てにおいて親を煩わせるということはなくなり、子供自身が好きなように時間を過ごすようになる。すると子育てに余裕が出てくる。その頃を見計らって、私は妻と過ごす時間を大切にするようになった。妻は22歳で子供を産んでいたが、その影響で若い頃にもっとたくさん二人っきりの時間を過ごしたかったという思いが強いようで、時々そのようなことを口にしていたからだ。


 私が妻との時間を大切にする様になってから、妻の精神状態はみるみる良くなっていくように見えた。昔の美貌に惚れ直したことを伝えたことがきっかけで、あれほど失敗したダイエットが理性的コントロールを得て成功し、体重は元の2/3程度になったように見えた。愛の力は偉大なのかもしれない。スタッフとの笑い話を盛り上げる為に、私はもうソッコーで離婚されるかもしれへん!なんやったら気づかんうちに籍抜かれてるかも!とか言って自虐して笑いを取った。そして宿に戻り、妻と週末会えるね!とメッセージを送り合う。出会ってから15年経ったが、互いの愛は冷める様子がない。


 最近仕事の人間関係の一部に亀裂が入っている話を妻にした。それから妻は仕事が終わると「おつかれさま!!!!!!!」とメッセージをくれるようになった。何個!をつけてんねん。励ましたいという気持ちがよく伝わってくる。本当にありがとう。


 そんな妻に会えるまで、あと3日。