行為の最中にナニが中折れしてしまったら

とうとうこの日が来てしまった。
ナニが中折れする日が。
 
 
元々早漏傾向のある私は、挿入してから限界を迎えそうになる時には当然気合を入れて我慢して、その波をやりすごしてから行為を再開していたのだが、そこから再び突き上げて楽しんでいるうちに、なんとなく突き上げる力が女性器に伝わってない感じがした。自分が再び限界を迎えそうな感覚も程遠い。おそるおそる腰をひいていくと、やわらかくなったナニが出てきた。やわらかくなってしまっては再び挿入できない。
 

私「ごめん、ちっちゃくなってる。。。。
妻「そうなんだ?
私「きみに魅力がないわけじゃないんだよ? むしろめちゃくちゃしたいんだよ? でもさ。えー?? なんでこんなんなっちゃってんの?
 

自分が焦っているのがわかる。行為は続けたいし、妻にも申し訳ない。なにより男として情けない。言葉にならない危機感が迫ってくる感覚がある。とりあえずこれで妻が気を悪くして、二人の行為にわだかまりが生じてセックスレスにつながるのは困る。でも中折れは嫌われても仕方がない。何より久々に会ってやっとセックスできたのに、こんな感じで不完全燃焼で終わってしまうなんで。やばい。どうしよう。と考えが巡っている時に、妻が声をかけてくれた。
 

妻「・・・・もう立たないかな?
私「・・・・わかんない。立つかもしんない
妻「じゃあ、ちょっといじってみるね
私「・・・・ありがとう
妻「・・・・・・ねえちょっと!
私「何?(笑)
妻「いじろうとしても、・・・いじり返されたら・・・・集中できないじゃん・・・・!
私「フフフフフなんだか楽しくて
妻「もう! やっ!! あっ!! ちょっともう・・・・・あぁん
私「ああそれ興奮する。おかげで復帰してきたっぽい
妻「ほんとだ、確かに
私「ありがとう! 超ありがとう! よかった! 新しいゴムかぶせるね
妻「もう・・・・
 

無事復帰できたおかげで行為は継続され、この時は再び限界を迎えることができたのだが、中折れを経験した事で自分の中の固定観念があったことに気づいた。セックスの流れとして、前戯→挿入→男の射精、というものだけが「ちゃんとしたセックスだと思い込んでいた」し、「それ以外のセックスは想定外だった」。でも、中折れすることで前戯に戻ることができた。射精だって、無理にしなくてもいい。
 
考えてみれば、女性は性行為で必ず絶頂に達するわけではなく、絶頂に達していなくても性行為に満足していることも多い。だから、男性だって中折れして途中で挿入をやめたって、二人が満足なら何の問題もない。ないのだが、挿入の継続を断念せざるをえない状況になって、初めて気づいた価値観だった。
 
妻「男の人は、いかないと満足感が得られないみたいだから、大変だよね。でも女は、少なくとも私は、いかなくても全然満足だし、中折れしてもしなくても、行為は楽しいよ」
 
もちろん挿入後の楽しみはお互い知っているので、中折れしないための食生活や生活習慣、中折れの原因などをお互いが調べ合ったり、実践に協力し合ったりする。そして、いずれは来るであろう「そもそも勃たないようになる時」まで、二人で悪あがきしていくのだろう。
 
それはそれとして、「勃ってない時のセックスも楽しいよね」とお互いの同意が得られていることが、自分の男としての尊厳を守ってくれているようで、そして二人の性行為が楽しいものだという保証があるようで、とても心強いのだった。