CASE 13. この3種類の粉を混合して、ひと袋の粉を飲めればいい、て感じにできる?
患者「これ、粉薬。3つに分かれてますよね。」
薬屋「うん」
患者「全部混ぜて、用意してもらうことって、できますか?」
薬屋「えー? ちょっと処方内容見てみるね」
処方:
1. レベチラセタム・ドライシロップ 600mg 2xN
2. カルバマゼピン細粒 80mg 2xN
3. ぺランパネル錠4mg 1T 1xM(粉砕)
4. パンテチン散20% 100mg
酸化Mg 200mg 2xN(混合)
薬屋「えーっと、3つって、粉は4つに分かれてるけど?」
患者「あの、便秘の薬は、もらったりもらわなかったりで、調節しているので、毎日飲んでいる3つです。」
薬屋「なるほど。これなー。」
薬屋「結論から言うと、混ぜない方がいい。理由は2つあって。」
患者「理由は2つ」
薬屋「そう。1つめは、混ぜても大丈夫かどうかがまだよくわかってないんですね。とりあえず、1と2は混ぜてオッケー。これはメーカーもそう発表してる。で、3がね。調べられてないんですわ。」
患者「そうなんですか?」
薬屋「うん。元々錠剤の薬やから。いちおう、粉砕する可能性はメーカーも考えてるから、粉砕した後の安定性については調べられてる。で、オッケーだからこうして粉砕してる。でも、錠剤を粉砕して、他の粉と混ぜる、てとこまではメーカーも考えてへん、調べてへん、てことなんですわ」
患者「はあ」
薬屋「せやから、ま、混ぜるんは、やめといた方がいいかなー。て感じ。混ぜて効果下がったら、非常にまずいから」
患者「そうですね。また発作が起こったらと思うと。」
薬屋「ね」
薬屋「で、2つめの理由は。これらの薬、症状によって主治医が量を調節したい、と思うことが多いんですわ」
患者「そういえば、前に一度、1種類量を減らそうか、と主治医が話して減量になったことがあって。で、発作が出てしまって。なので元に戻した、てことがありました。」
薬屋「ですよね。そうした時に、3つ混ぜてると調節できないので、融通がきかなくてまずい。3つバラバラだと、そういった時に各薬の量を調節できるので、緊急時や急変時に対応しやすい。」
患者「なるほど。なら、3つバラバラで仕方ないですね。」
薬屋「飲む寸前やったら混合して一気に飲ませていいから、3回飲ませるのが面倒やったらその方向で行ってもらえばええよ」
患者「わかりました。ありがとうございました。」