CASE 4. プロは簡潔に。未熟者は冗長に。素人は情緒的に。

質問者:

生後10か月の子供が高熱を出してしまったので、お医者さんへ行きました。

インフルエンザと診断され、タミフルが処方されました。

でも、タミフルって、生後10か月の子供に飲ませてもいい薬でしたっけ?

前に、いろいろ副作用が言われていたような気がして。。。。

不安になったので。。。。飲ませても大丈夫でしょうか?

 

回答:

1. 薬屋     ☆☆ベストアンサーに選ばれました☆☆

飲んでも大丈夫。こちらを参考に。

お大事にー

medical.nikkeibp.co.jp

 

2. がんばる薬剤師

お子様、大変でしたね。お体大丈夫でしょうか?

この季節、インフルエンザも多くて私の友人もたくさんインフルエンザにかかっています。気をつけてこの季節を乗り切りましょう!

さて、インフルエンザの治療に使われるタミフルという薬ですが、これまでは1歳未満の乳児、幼児への使用が認められていませんでした。ところが、2016年末あたりから、乳幼児に使用してよいと認められ、処方されるようになったのです。なので、服用しても大丈夫ですよ!!

私のいる薬局でも、小さなお子様に使える薬が限られているので、タミフルはたくさん処方されています。味はそれほどおいしい薬ではないので、水で飲めなかったらジュースやアイスクリームに混ぜて飲ませると、おいしく飲んでくれると思います。嫌がる場合は、いろいろ工夫するとよいですよ!!

それでは、お子様が早く元気になりますように。お大事にしてくださいね。

 

3. そらくんママ

インフルエンザになってしまったのですね。大変だろうとお察し致します。

うちの子供は5歳なのでよくわかりませんが、昨年はタミフルを処方され、特に問題なく治りました。今年はゾフルーザという錠剤が処方されました。1回で飲み終わる、便利な薬です。もしタミフルが不安なら、お医者さんにゾフルーザを処方してもらえるようにお願いするといいかもしれません。体重によって量がかわるそうなので、詳しく話してみてください!!

早く元気になるようお祈りしています。お母さん(お父さん?)も、ご無理なさらずに、お大事にしてください。

 

4. 鼻セレブ

うちの夫は年収2000万ですけど子供がインフルエンザにかかり、タミフルが処方されました。8か月の女の子です。薬を飲ませましたけど、特に気になることはなく、元気になりましたよ。参考にしていただければ幸いです。

 

5. 元も子もなさ夫

薬なんて飲まなくていーんだよ、昔はタミフルなんてなかっただろ? 寝て直しただろ? 人間には自然治癒力が備わってんだよ、そんな薬飲む必要なくね? 飲まないって決めたらこんなことで悩まずに済むんだよ。な? 寝てりゃ治る! はい終了ーー

 

6. レイン謀

タミフルの成分オセルタミビルは化学物質なので、飲むのは危険です。そもそも薬というのは製薬会社が儲けるために合成された化学物質にすぎません。消費者には健康をあおって、医者と共に国民から莫大なお金を巻き上げているのです。そのような陰謀に乗る必要はありません。重大な副作用が出てからでは遅いので、絶対に飲ませないことをお勧めします。

 

7. キレてる人

赤ちゃんにタミフルは使ってよいと思いますけど、僕なら筋トレをしてインフルエンザを治します。筋トレをしていると精神的に充実して、病気にもなりにくくなるので、おすすめですよ。

 

8. 黒塗りの高級車に追突してしまうbot

1歳未満の乳幼児にタミフルが処方できるようになったので、飲ませてもいいと思い、看病の疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは…。

仕事を辞めた後もその信頼関係は厚いの?

今日は人事の話です。

 

先日、10年以上働いていた管理職の草野さんが辞めました。話によると、草野さんは広川社長にとても気に入られていたようで、よくゴルフに連れて行ってもらったり、社長の命令や社内のルールに対して草野さんが異議を唱えると、草野さんの担当部署だけは治外法権となったり、といったことがあったようでした。

 

そういう話を聞いていたものですから、なぜ辞めるのかを聞いてみました。「え? 家の病院の臨床検査技師になるため」と、草野さんは言いました。草野さんの奥様は医師で、家の病院というのは厳密には奥様の実家の病院ということになります。が、草野さんは薬剤師の資格を持っており、弊社では薬剤師として技能を発揮していたのですが、それなのに臨床検査技師として病院に入る、という響きに、思わず大変ですねえ、という言葉が出ました。草野さんは、「後藤さん、家のことなんで、いろいろあるんですよ。人間関係とか、いろいろ、ね。事務長兼任だと思うけど」などと言っていました。おそらく、その病院は院内に薬剤師を置かず、人件費を削減するため等の目的で現場で動ける人を身内から用意する、ということなのでしょう。

 

ということで、草野さんがいなくなって穴の開いた席に私が入ることになりました。草野さんは日々の仕事で発揮する薬剤師の職能を、「薬を調剤して患者にお渡しする」に特化し、それ以外の仕事をできるだけしないように、しないように手配していました。よって、私が引継ぎの日時について聞いても、人事を担当している泉さんからは、「いや、必要ないでしょ」という回答でした。草野さんも「引継ぎといっても、引き継ぐものがない」と言いました。それくらい簡単な仕事だ、という風に感じ取れるニュアンスでした。10年近くその仕事をしていて、それなのか。それでも、こだわりを持って頑張ってきたことくらいは引き継ごうとも考えましたが、「できるだけ何もせず、早く家に帰るようにした」とか返ってきそうな雰囲気だったので、結局引継ぎなしで、草野さんがいなくなった次の日から実践で担当部署を回していったのでした。

 

それでも、草野さんは次の仕事場では週末に時間が空くそうで、「土曜日とかはバイトに来るよ」と、現場スタッフには言っていました。社長に気に入られていた様子の草野さんなので、そのような一部復帰もあるだろうな、と思いました。薬剤師の資格を使ったバイトというニーズも、社内にはありました。そんな中、人事を担当している泉さんと食事をする機会があったので、その辺についての話を聞いてみたのでした。

 

私「で、実際、草野さんが土曜だけバイトに入るの?

泉「ああ、その話ね。草野さんがバイトしたいって広川社長と話をしてたんだけど、どうも条件が折り合わなかったみたい

私「へえー。前に雇用してたし、お気に入りのような対応だったという話だし、スムーズに話が進むもんだと思ってた

泉「うん。自分もそう思ってたけど、社長の思惑は違ったみたい

 

私「へえー。どう折り合わなかったの?

泉「うーん。お金かな。草野さんは以前働いていた感覚での報酬を期待したけれど、社長は現状働いている人間よりもお金を支払うことをよしとしなかった、て感じ?

私「そうなんだ。気に入られてたんじゃないの?

泉「そうだと思うけど、それとこれは違ったみたい

 

私「そうか。まあ、土曜だけ仕事するとか、人材としては融通きかないよな

泉「うん。で、他の店舗での仕事は、社員の時から草野さんは断ってたし

私「それも、他の店舗での仕事をしたくない、ではなくて、できる能力がない、という断り方をしていた、って話だよね?

泉「そう。本当はほかの店舗の人員がいるんだけど、そちらには使えない

私「なるほど

 

泉「そしたら元にいた現場。そう。後藤さんの所でしか働いてもらえないってことになるけど、後藤さんがいればそれ以上人員いらないし

私「だよね

泉「まあ、土曜日だけでもほかの人を用意して後藤さんを自由な駒として動かせる、ってメリットはあるんだけど、それならその現場は別に他の人件費安い人間に行ってもらったりでいいし、なんなら別の社員を一人動かせば、経費ゼロだよね

私「確かにな

泉「そうなれば、社長はやっぱり今雇用している人間以上のお金を渡す、って選択肢には、ならなかったみたい

私「なるほど

 

その話を聞く前までは、広川社長は割と情に厚く、親分肌な印象を受けていました。なので、忠誠心を示しつつ要望を要望通りまたはそれ以上に満たしていれば、悪く思われることなく居心地よく仕事ができるな、末永く付き合っていけるな、という方針で対応していました。おそらく草野さんもそのような感じで気に入られていたと思っていましたが、違ったようでした。なぜ草野さんの要望は今回通らなかったのか? 草野さんは気に入られていたわけではなかったのか? ならば、なぜ草野さんはいろいろな面で良くしてもらっていたのか?

 

草野さんは家の病院の仕事をするために辞めた、ということなんですが、ここで、あ! と気づきました。草野さんが入社した頃は会社としては右肩上がりの業績で、おそらく会社としてはどんどん業務を拡張していった時期。そうなれば、草野さんの家の病院が病院外に処方箋を発行する方針に切り替える時を狙って、その病院の前に薬局を作りたかったに違いない。その薬局で、草野さんの薬剤師の職能を発揮してもらう。それを狙って、草野さんを大切にしていたのでしょう。言うことをきかなかったりする面にも、目を瞑って。

 

しかし、10年以上経過しても、その病院が処方箋を発行する方針にはならなかった。会社としても、時間の経過とともに、薬局を増やしてもそう業績が上がらない時代になってきた。むしろ薬剤師は不足し、増やしてきた薬局を維持することに力を注がなくてはならず、薬局を増やすどころではなくなった。よって、会社にとって草野さんの存在は、将来性のある薬剤師からただの平凡な薬剤師というものになってしまった。これから先も仲良くして投資する価値のない人になってしまった。ということのようです。

 

なるほど。人情に厚いようで、本当に重視しているのは会社の利益、ってことですね。社長ならば当然です。ですが、親分肌で人情に厚い(ように見える)面を見ていると、そのような冷徹な面はつい見逃してしまいます。なるほど。これからこの会社でお世話になる上で、この点は押さえておかないと、痛い目を見るな。そう思えた、興味深いできごとでした。

 

というわけで、入社してからわずか1年半程度で管理職になってしまいました。弊社はまだまだ薬剤師が不足しておりますので、さっさと出世してたくさん報酬がほしいのなら、弊社が狙い目です。あ、出世に興味はない、プライベートを充実させたい、子供の行事などを優先させたいんだ、という方も、人事に割と融通の利く弊社が狙い目です。薬剤師限定ですけれど、お? と思われた方。お気軽に私までご連絡下さいませ。

CASE 3. 寝てる途中で目覚めるから眠剤? 寝なくてもいいんじゃない?

処方:スリーマイル・チェルノブイリ錠10mg 1錠 寝る前 30日分

 

薬屋「いつもの眠剤やけど、眠れてる?

患者「夜は眠れるんだけど、深夜に目覚めちゃうの

薬屋「へえ

患者「その時にこの薬を飲んでる

 

薬屋「(マジか。用法指示と違うやん)

    (用法指示が違っても渡す薬は一緒じゃん、とか言う医者、結構おるからなあ。専門外の薬を出すときなんかは、な)

    (カルテには薬の名前と数しか書いてなくて、事務入力で用法指示を素人脳で叩き出してる場合もあるからな)

    (保険適用上問題ないし、スルースルー)

 

薬屋「へえ。何時くらいに目覚めんの?

患者「うーん。いつも3,4時くらいかなあ

薬屋「そうなん。まあ6時、7時くらいに目覚めたいわなあ、せめて

患者「そう。一度目覚めたら、そこからは本当に眠れないから、眠剤を使う

薬屋「で、いつも何時に寝つくん?

患者「寝始めるのは、夜8時くらい

薬屋「???

 

薬屋「フツーに8時間寝てるやん。そんなん目覚めたら再度眠れないなんて、当たり前当たり前。寝んでもええやん

患者「でも、朝7時くらいまで眠れないし、それは苦痛。7時まで、ずっと目が冴えてるのよ??

薬屋「そらそうや。十分寝てるもん。早起きしたらええやん

患者「でも、7時まで何もすることがなくて、苦痛。寝た方がいいと思う

 

薬屋「・・・・(説得を諦める)夜寝るのを、遅くしてみたら?

患者「それは無理

薬屋「え? なんで?

患者「だって、眠くなるし、起きててもすることないし

薬屋「まあ、毎日の習慣やから、自然と眠くなるわな。じゃあ3時、4時に起きたら、起きたままでええやん

患者「それは体に悪いでしょ? 寝ないと

薬屋「全然悪くないやん(笑)8時間寝とるで。十分やん

患者「ええ? でも、7時まで目が冴えるし、苦痛だし

 

薬屋「(あ、それさっき聞いた話やな、エンドレスループや)

    (医者もこうやって、しぶしぶ薬出してるんやろな)

    (まあ、ろくに深堀りもせず、眠れない→じゃあ眠剤出しときましょう、てパターンもあるかもやけどな)

    (こういうの、医療費の無駄遣いやわなあ)

    (しかもこの話が作り話やったとしたら、こうやって薬だけもらってネットで薬を売る患者だっておるで)(そっちの方が問題や)

 

薬屋「(でもこれ、患者説得するの、すぐには無理ゲーやで)

    (調剤を拒否すればええんかなあ)

    (でもこれ、前回も同じ処方で調剤して薬渡してるし、拒否を納得してもらうのも大変やで?)

    (会社の評判にも影響するしな)

 

薬屋「(ここで一生懸命眠剤の不要性を説得しても、薬局の人がウダウダ言って、なかなか薬をくれなかった、とか言われるんだろうなあ、井戸端会議とか医者の前とかで)

    (しゃーないか。それも仕事やで)

 

薬屋「なあ患者さん。もう十分寝てるから、それ以上寝なくていい。この薬は本来必要ないはずやねん。せやから、少しずつ、寝られないことに慣れていった方がええで。この薬だって副作用がないわけやないんやし。な?

患者「はい。はい。(話を聞いてない風)

薬屋「じゃあ、おだいじに

AV女優と握手して妻にキレられた話 後編

こちらの話の続きです。

AV女優と握手して妻にキレられた話 前編 - 愛し合う夫婦が別居してからの記録を残す日記

AV女優と握手して妻にキレられた話 中編 - 愛し合う夫婦が別居してからの記録を残す日記

あらすじとしては、AV女優の握手会に行った私がツーショット写真を撮ってもらって、それを見た妻がキレてゴールデンウイークに会う予定をキャンセルすると言った、でもそんなことはおかまいなしにゴールデンウイークに会いに行ったところまでの話。でした。

 

家の最寄り駅までたどり着いた。近くにある花屋に寄る。妻は花を見るのが好きで、ほかの方が一度行けばもう満足と言っちゃうようなお花の広場や、お花の公園に何度も行きたがる人。そこで、再会したときに花を渡し、機嫌を直してもらおうという算段だ。どういう会話の流れにしようか。

花言葉知ってる? と聞く。

知らない。何? と返される。

ふっふっふっ。花言葉は「謝罪」

「プッ(笑)」

よし!ネタ1つできた!とか考えながらスマホで時間をチェックすると、画面には妻からのメッセージが表示されていた。

 

「駅前にいる」

 

なーーんや。ちゃーんと迎えに来てくれてるやん。メッセージは10分ほど前。あまり放置するとそれはそれで機嫌を損ねるので、とりあえず電話する。どこにいるの。今、花屋にいるよと伝える。なんで? まあそっち行くから。と言う妻の声の隙間から、娘の元気そうな声が聞こえてくる。もうすぐパパに会えるの? とか聞こえてくる。かわいいやつだ。だが、花屋にいることを教えてしまったので、サプライズで花を渡せなくなり、機嫌回復効果はおそらく半減した。それならば、店で合流する前に花を選べばOK! と思ったその時に、遠くから「パパー!!!」の声。TIME UP!!!

 

走ってきた娘の勢いを利用して、上へ高く持ち上げてあげる。

娘「ぱぱ!! やっと会えた!!

私「元気そうやな。今日も超かわいいやん

娘「ほんと? 嬉しいー!!

 

抱擁する父と娘。それを少し離れて冷めた目で見ている妻。

 

私「おつかれさん。すんなり会ってくれるとは思わんかったな

妻「・・・私は離れて見てるつもりだったけど、娘がダッシュでそっち行ったから、仕方なく

私「カーネーションが時期的にいっぱいあるから、いる?

妻「なんで買うの?

私「おまえにプレゼントするためやん

妻「なんで?

私「ええやん。花、好きやろ?

妻「まあ、好きだけど。。。

私「カーネーション。鉢植えとか、あるで?

妻「鉢植えは、枯らしてしまうから、いらない。カーネーションも、別にいい

私「じゃあバラな!!

妻「え?

私「娘ちゃん、バラは何色がいい??

娘「あたしは、この白いのがいいなー。花が大きいし!

私「オッケー。じゃあ妻には赤いバラで、娘ちゃんは白いバラな!

娘「やたー!!

私「ところでさ、知ってる?

妻「何?

 

妻「・・・・だから、何?

私「バラの花言葉、知ってる?

妻「愛情でしょ

私「(計画倒れ!!!!)

  ち、違うで?

妻「違う? じゃあ、何よ?

私「あ、愛情と、謝罪と、大切。うん。それそれ。

妻「・・・・その真ん中のやつ、ちゃんと強調しといてもらいたいわ

 

妻から会話が始まることはなかったが、無事合流できたので、食事でも行こうか、となった。何が食べたい?と聞く。別になんでもいいけど、と妻。お寿司たべたーい! と娘。ということで、近場にある回転寿司屋に決定した。会話をする気のない妻とは裏腹に、娘からは次から次へと言葉が溢れ出てくる。友達の話、習い事の話、学校の話、娘のことが好きな男の子の話。そして大好きなお寿司の話。食事が終わり、自宅に帰り、お風呂に一緒に入り、ベッドで寝かせるまで、娘はずっと話し続けていた。娘のかわいさに幸せな気持ちになりながら、自分も眠りに落ちていった。

 

・・・・・なんか、首元がもぞもぞする。眠い。頬に何か当たる。眠い。唇があったかくなる。唇から頬、首、肩へと、柔らかいものが這っていく感覚。眠気に浸りながら、うっとりする気持ちよさに酔っていた。妻が、私の顔を中心に接吻を繰り返していた。・・・・なるほど、仲直りはセックスで、ですか。オッケーそれ乗った! と手を胸に伸ばした瞬間

「まだ怒ってるよ」

響く声。なんじゃそら。それで怒ってんのかい。思わず笑いそうになる。妻の愛撫は続き、上半身を一通りコンプリートした後に臀部に向かい、臀部も一通り嗜んだ後、体をそっと離し、少し離れたところでゴロンと寝転がった。目を少し開けると、どうやらスマホをいじっている。ん? 焦らしプレイ? とりあえず尿意を催したので、トイレに向かった。

 

トイレから戻り、妻の横へ割り込む。

私「・・・・・・おしまい?

妻「寸止め

 

そうか寸止めか。フフフと笑う。どうやら、ここで話し合いが始まるようだ。暗闇の中、体を密着させながら。

 

私「あれ(AV女優と密着して恋人つなぎしたこと)は、とくにやましい気持ちはないんだけど

妻「異性と密着してた

 

AV女優さんとツーショット写真を撮ってもらう際、自分が横に並んでカメラに目線をやったその刹那に、その女優さんは私の左腕と体の間に彼女の右腕を滑り込ませ、手をつなぎつつ指をからませてきたのだった。それは一瞬のできごとで、え?? そんなことやってくれるの?? すっげーサービス精神!! という驚きが大きかった。これはファンは喜ぶ。そのプロ意識に心から感心した。

 

あとは、私もファンなので、絡んできた手を思わずぎゅっと握ってしまった。憧れの女優さんだから、自然と力が入ってしまう。それが嫌だというのなら、それは正直ゴメンナサイではある。でも頭の中では別のことを考えていた。この私の手の薬指には結婚指輪がはまっているので、その感覚が女優さんにも伝わっているはずだった。妻がいるのにこのような握手会に来る男を、客としてどう考えてるのか。仕事だからどうでもいいのだろうか。または、本当は軽蔑したいのだろうか。それとも既婚者でファンの男は実は当たり前に多くて、そのうちの一人という感覚なのだろうか。彼女が何を考えているのか知りたいな、といった方向に関心が行っていた。

 

一方で、体が密着しているかどうかは、まったくそんな感覚はなかった。後で写真を見たら、腕が交差してることもあり、女優さんの頬が私の肩に触れる程度には密着していた。のだが、普段妻と一緒にいる時にはそれ以上の密着が常で、私の腕が妻の胸をこすりまくる程度には密着していて、それが通常の感覚として残っている。それに比べると、女優さんと私の距離は離れていた。なので、自分の中では女優さんと密着している気はなかったのだった。なので、「言われていれば密着しているなあ」という感覚だった。が、後日似たような距離感の男女を描いた漫画家の方がいて、「この距離はセックスしてる間柄の距離感ですよこれは」とコメントがついていたので、やはりパートナーとしては嫌な距離感だったのだろうということは理解できた。それもまた、男性慣れしているとはいえ、そういう距離感を演出できる女優さんのプロ意識に感心するばかりだった。いわゆる「神対応」であった。

 

私「まあな。でも、握手会で口説き落とすとか、ありえないしな。有名人やから、偶像やし。ディズニーでミッキーに会いに行って抱擁するとかと、同じ感覚やで

妻「ミッキーと違って異性じゃん

私「憧れの存在としては同じようなもんやろ。ツーショット撮影とか、同じようなパターンでやってたで

妻「ミッキーに欲情しないじゃん。でもそっちは欲情するでしょ

私「まあ、それはそうやけれども。。。でも現場でナニかするとか、ないし、ありえないじゃん

 

私としては、実際に何かイヤラシイことをしたわけではなかったので、悪いことをした気持ちは全くなかった。それでも、妻が嫌な気分になったのも事実だった。ということで、お互いが正しさを主張することに意味はなく、ヘタをするとお互いの思いやりを阻害するリスクがあった。よって、起こったことに関しては謝り、再発防止に努めていく方向に話を進めていった。

 

私「せやから、まあ、これからは、密着して恋人繋ぎ、みたいなことが起こらんようにしてくから、ごめんな

妻「・・・・・・・

私「・・・・・・・

妻「・・・・・・・

 

沈黙の時が流れる。どれくらい時間がたっただろうか。やがて妻は、私の胸に顔をうずめた。

 

妻「・・・・・どうしてこんなに好きなんだろ

 

そうつぶやく妻の頭を、ゆっくり撫でる。体を、自分の方に引き寄せた。

 

妻「・・・・許すのに、条件があるの

私「・・・・それは、何?

妻「・・・・5月7日、余分に1日休みをとってるよね

私「・・・・うん

妻「・・・・その日、2人でデートしてほしい

 

なんて簡単な条件なんだ。

 

私「・・・・ええよ。デートしよう

 

妻の頬に手を添え、唇を重ねる。そうして、仲直りの行為が再開された。

 

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次の日の朝、目が覚めた娘がふと見ると、自分のパパとママが少し笑って話していた。

娘「ねえ、ママ。

妻「なあに?

娘「パパと、仲直りしたの?

妻「・・・・うん、したよ

 

AV女優と握手して妻にキレられた話 中編

こちらの話の続きです。

AV女優と握手して妻にキレられた話 前編 - 愛し合う夫婦が別居してからの記録を残す日記

あらすじとしては、AV女優の握手会に行った私がツーショット写真を撮ってもらって、それを見た妻がキレてゴールデンウイークに会う予定をキャンセルすると言った、という話。でした。

 

さて。どうしようか。

 

とりあえずメッセージの会話の中で「ごめんなさい」と謝ってはいる。この時点で4月24日。妻と子供に会うのは5月2日の予定。それまで結構な時間がある。怒りという感情自体はそう長続きしない。そのかわりに、怒りが収まったときに出てくる感情が「諦め」と「淋しさ」。

 

諦めが強いと「見捨てる」につながり、その場合は放置すると関係が破綻する危険がある。それについては、これまでの関係で信頼をどれだけ蓄積しているか、という点が大きいと思うが、これは割と自信がある。別居している間に身に覚えのある喧嘩は1度もなかったし、悪いこともしていない。一緒にいる時はたくさん会話しているし、肉体関係も問題なく続いている。となれば、もうこれ以上親密になりようがない女性と密接して手を繋いだだけで14年の夫婦関係が破綻する、ということはないだろう。

 

ということで、今のところこちらのメッセージを既読無視されているが、会えない時間は怒りを鎮めてくれる時間と割り切って、自然な感じでこちらも放置し、実際に会って愛情を示せば仲直りできるだろう。そう考え、どっしり構えて、来たる時を待つことにした。

 

万が一訪れる「破綻」の可能性を考える。そうすると自分も淋しくなる。そうなると妻に優しくしたくなる感情が出てくる。

 

仕事をしていない独りの時間に、妻に会いたくなる気分になる曲を流す。私の場合は、Donna LewisのNow in a Minuteというアルバム。淋しい雰囲気からあったかい雰囲気に移り変わる演奏に、かわいいボーカルが乗っていく曲が多く、女性との甘い雰囲気に包まれたいけれどかなわない、といった淋しい時にとても親和する。毎日Donna Lewisを流していると、少しずつ、腕の中で妻に微笑んでもらいたくなってきた。

 

そういえば、妻の若いころの写真が部屋の奥にあったはずだ。なくしてしまってたら、やだなあ。と考えながら探すと、無事見つかった。その写真の妻は、激烈にかわいかった。しばらく写真にみとれる。そうそう、かわいくてエロいのがよかったんだ。懐かしい気持ちが蘇る。歳を重ねるごとに、若い頃と比べて外見が劣化するのは自然なのだが、外見が変わっても中身がその人であることには変わりがなく、若い頃の素敵な写真は歳を重ねたその人が持っていた魅力を再確認させてくれる。オレはこんなかわいい女を、妻にしているんだ。そう思わせてくれるだけで、大切にしたくなる気持ちが強くなる。

 

そうやって妻への愛情を増幅させている刹那に、妻からのテレビ電話が着信する。日曜日。

私「お? どしたん?

妻「娘が話したがってるから

 

早々にテレビ電話から去る妻。まだ楽しく話す気はないようだ。代わりに画面に登場した娘は満面の笑みで話しかけてきた。パパと会えなくて淋しい。いつ会えるの。笑顔で聞いてくる娘に、4日後だよと明るく教える。遅いよ、と娘。早く会いたい。もっと早く来てよ。と続ける娘。かわいい奴だ。仕事があるから仕方ない、ごめんなと声をかける。自転車を買う約束してたやろ? 楽しみにしとけよ、という言葉に反応する娘。自転車、楽しみ。友達と遊ぶ時も、友達だけ自転車に乗ってて、あたしだけ走って追っかけていってたから。自転車があると、友達と一緒に動けるから、うれしい。そう話す娘の嬉しそうな声に、おまえ最高だな!と思いながら、そのどさくさにまぎれて自転車を買うためにというゴールデンウイークに会う口実が確定した。

 

そして、会う予定の5月2日。ここまで夫婦間の連絡のやりとりは一切ない。いつも会う日は、出発した、新幹線に乗った、○○駅に着いた、などといった連絡を取り合うのだが、今回は一切ない。子供に会う口実があるので妻の元に向かうが、妻の怒りを鎮静させたわけではないので、遠距離と時間をかけて行っても門前払いされるリスクは残っている。でも、まあその時は「え? 何怒ってんの? 大変やなあ!はっはっは!」とか言って、妻の意に介さずマイペースをキープして家に乗り込む予定である。そんなことを考えながら、家の最寄り駅までたどり着いた。

 

続きます。

一気に最後まで書くつもりだったんですけど、意外に長くなったのと寝る時間が近づいたので、また後日。

CASE 2. 前と飲み方が違うけど大丈夫? 大丈夫大丈夫!

処方:

1. MTXYZ錠 2mg 2T 2xN(12時間おき) 4TD

2. 陽一さん錠 5mg 1T 1xM 4TD MTXYZの2日後

3. ステロイド錠 5mg 2T 2xN 5TD 4/25-29

4. ステロイド錠5mg 1T 1xM 5TD 4/30-5/4

5. ステロイド錠5mg 0.5T 1xM 15TD 5/5-19

(以下余白)

----------------------------

患者「この、ステロイド錠。順番に減らす話を医者から聞いたけど

薬屋「うんうん、処方でそうなってるなあ

患者「5日ずつ、減らすってことになってるよね?

薬屋「うん、せやな

患者「こんな速いペースで減らしていく薬だったっけ?

 

薬屋「うーん、状況による。今回なんでこれ処方されたん?

患者「ああ。調子よかったんだけど、悪化しちゃって

薬屋「ほうほう

患者「2か月前に調子よかったからMTXYZの薬をやめてみようか、ってなって

薬屋「ほんまや、2か月前に中止になってるなあ

患者「でも、薬やめたら悪化したから今回また薬を再開に、って

薬屋「なるほど。

 

薬屋「わかった。急に悪くなった分は、急速に治療して減薬しても症状リバウンドしないから、今回は大丈夫やで

患者「ああ、急に悪くなったからか。前も同じ薬をもらって、数か月単位で1mgずつ減量していったのは。。。

薬屋「症状的には慢性的な状態やったから、基本が悪い状況やった。そういう場合は、症状の元を改善するために、ゆっくり時間をかけた方が治療成績がええんや

患者「うんうん、確かにゆっくりゆっくり減量してた

薬屋「今回は、基本が改善状態やから、一時的に悪い状態を一気にたたいて、減量もそういう状態なら数日ペースでステロイド減らしていっても症状はぶり返さない。って方針やな。せやから大丈夫!

 

患者「なるほど。そういうことか。わかった。わかりやすい説明やった。ありがとう!

薬屋「おだいじにー

AV女優と握手して妻にキレられた話 前編

どんな人とお付き合いしたいか? という条件について考えたことのある人は、結婚するしないに関係なく、結構いらっしゃるんじゃないかと思うのですが、私の場合は、

・エロい人

というのが絶対条件でした。これは過去にエロくない人とお付き合いをして、全然セックスさせてくれなかった痛い経験があるからで、させてくれない苦痛は「エロは卑猥で恥ずべきもの」という常識を上回ってしまったので、そうなってました。エロい人がさせてくれるとは限らないので、エロい人と一緒になってもセックスレスになるリスクは当然あるのですが、とりあえずエロい話もできない人はつまんないなーと思うので、そんな条件を事あるごとに醸し出してました。

 

そうすると、エロを軽蔑する女性は私の前を去っていくので、私に近づいてくる人はエロの危険性を警戒したうえで近づいてくる女性になりました。そんな中に今の妻がいました。妻は別に自分から好き好んでエロトークをするわけではないのですが、私のエロトークに免疫があり、さらにいろんな物事に含まれるエロいことをおもしろおかしくブチ込んでくれるので、センスあるなあ!と感心することも多く、結果的に相性のよい人と巡り会えたなあと思っています。ちなみにそんな話を妻にすると「そんな所じゃなくて、もっと別のところをホメて!」と怒られます。

 

妻とはそんな関係なので、ネットにあるヌード画像とかAV女優とかを私が見ているのを妻があきれ顔で見ている、でも喧嘩にはならない、という関係が続いています。そんな中、私の好きなAV女優さんが近所で握手会をやるという話が入ってきました。私は過去に一度、別のAV女優さんの握手会に行ったことがあるんですけれど、それは妻に了解を得ていました。アイドルとは違いAV女優さんに恋をしたり全てを捧げたり浮気したりとかはないでしょ、という点で、ネットで知り合う素人女性と1対1で会うよりは格段にマシ、という判断基準が妻にあったんじゃないかなーとは思うんですが、詳細はどうあれ妻にはその握手会に行くのを許してもらっていました。なので、今回も同じような感覚で握手会に出向いたのでした。

 

そのAV女優さんはたくさんのファンに一人ずつ丁寧に対応していて、ああ、ちゃんと仕事しているなあ、営業といえどもなかなかできることではないな、すごいなあ、という印象でした。もちろんとても綺麗で、人気のある有名な方ととても近い距離で触れ合えた、とても貴重な時間でした。が、こういうイベントを見ると、客として参加するよりも企画側で作っていく方がおもしろいだろうなあ、というのをよく考えます。ディズニーリゾートなどでもそうなんですけれど、自分が客として楽しむよりも、どのようなシステムでもてなしているのかといった、裏方だとか仕事術だとかの方に目が行くんですよね。そして自分の仕事を省みる。そんな感じで、AV女優の握手会の帰りに自分の接客技術の改善方法について考える、みたいな予想外の方向に頭の中が発展していました。

 

そんな中、妻からメッセージが届きます。

 妻:今日どっか行ってた?

 私:行ってたよー

   ○○(AV女優)の握手会行ってた

 妻:ほー

   どうだった?

 私:かわいかった

   仕事よくがんばってる感じで、ほんとありがとうございます!て感じ

 妻:ふーん

 

 妻:AV女優の握手会って写真握手だけ?

 妻:写真撮るとかハグとかするの?

 私:いろいろだけど、今回のは手をつないで2ショット写真、一言話す、だけ

   買ったDVDの数などで条件が変わるんだけど、今回の自分のは、こんだけ

 妻:写真見せて

 私:はい(写真)

 

 妻:(二人の距離が)近い

   手繋ぎ

   アウト

 妻:なんじゃこれ

 妻:肩寄せ合ってるくらいかと思ったら手繋ぎ

 妻:まじ無理

 妻:最悪

 妻:ゴールデンウイークこっちに来なくていい

 妻:もうほんとやだ

 妻:まじで来ないで

 妻:しかも恋人繋ぎじゃん

 妻:ファンサービスとはいえこれはないわ

 

 私:まじですか

 私:予想外

 私:ごめんなさい

 

 妻:普通パートナーが他の女と手を繋いでたら嫌だと思うんですが

 妻:相手が仕事でとか関係なく

 妻:しかも恋人繋ぎ

 妻:最低

 妻:だと思う

 

これ以降メッセージのやりとりがなくなってしまいました。

うわー。これ、マジ怒ってるなあ。

ゴールデンウイークは約1か月ぶりに会って過ごす予定だったのですが、反故になってしまうのか?? 

 

次回へ続きます。

新幹線の予約キャンセルしたら再度取るの時期的に難しいなあ。