トラネキサム酸の美白効果について簡単に調べてみた
のどのお薬のトラネキサム酸はなぜ美白に良いのか。
そう妻に聞かれた。
自分も肝斑に効果があることは把握していたが、
その作用機序について自信を持って話せなかった。
そこで、調べてみた。
トラネキサム酸 皮膚 作用機序 で検索。
トラネキサム酸の肌への作用機序は主に、
・チロシナーゼの阻害
・プロスタグランジンE2産生抑制からの、色素細胞の増殖の抑制
と言われていることがわかった。
うーん、漠然としているな。もう少し具体的に知りたい。
肌を黒くする色素といえばメラニン色素。そのメインの成分はメラトニンなので、
トラネキサム酸 メラトニン で検索。
すると、次のような説明が見つかった。
↓
・ドーパ
↓
・ドーパキノン
を経由し、ドーパキノンを原料にメラニン色素が生合成され、皮膚障害性のある紫外線から肌を守る役割がある。
この、チロシン→ドーパ、ドーパ→ドーパキノンの2つの反応を助ける(触媒する、と専門的には言う)のがチロシナーゼという酵素だ。
このチロシナーゼの活性を邪魔する(阻害する、と専門的には言う)のがトラネキサム酸。
つまり、トラネキサム酸によってチロシナーゼが邪魔され、その結果メラニン色素があまり作られなくなり、美白になる。ということのようだ。これは説得力がある。
ただ、紫外線から肌を守るメラニン色素の量を減らすと、皮膚がんになるリスクは上がりそうに思える。
その辺にエビデンスはあるのだろうか。
そしてもうひとつの物資。プロスタグランジンE2についてはどうか。
すると、次のような説明が見つかった。
「プロスタグランジンE2はEPーRというレセプターを介してメラノサイトのチロシナーゼ活性を高める。」
EPーRの解説が乏しくてよくわからないが、結局、チロシナーゼ活性に影響するようだ。
なるほど。
まとめると、トラネキサム酸はメラニン色素合成に大きく関与する酵素チロシナーゼを邪魔することでメラニン色素の合成を抑え、美白効果を導く、ということのようだ。
横で一部始終を見ていた妻はぽかんとしていた。