キャリアを築くとは

再就職先は、案外早く見つかった。

知人の社長に電話したら、条件は下がるが前向きに考えて下さったので、当面はそこに行くことになった。それでもその会社としては破格の待遇で、会社としてもそれでうまくいくかわからないので、1年契約にしてほしい、更新についてはまた1年後に、という条件だった。

 

自分の業界は人手不足で、しかし労働者を少しでも増やしすぎると人件費が厳しくなるという経営者泣かせの状況なので、このような契約で手打ちにするのも仕方ないかなとは思う。同時に、1年ごとに人手がなくて困っている会社に手助けして回る、サーフィンの波に乗るようなキャリアというのもおもしろいと思う。問題はいつまで続けることができるかだ。年齢も若くはないため、ニーズがなくなると再就職は無理ゲーになるリスクもある。まだローンも残っているので、こわい。

 

ただ、実力が認められれば会社は手放さないだろう、という期待を込めて、結果を出して行こうと思う。

 

結局、失職して茫然自失となった期間は2日間だけだった。それは精神衛生的に本当に良かった。2日間は、夜は眠れたが、朝が予定よりも1時間早く目覚めてしまっていた。遠くに離れて暮らす妻の、心の支えが大きい。失職しても一緒にがんばろう、なんとかなるよ、と言ってくれる人がいるのは大きい。それは妻でも、友達でも、何も知らないで懐いてくる子供達であっても。

 

とりあえず1年先にまた同じ思いをするリスク確定なのだが、自分の可能性に賭けたいと思う。