おっぱいの大きさを均等にするために

「ねえ。やっぱり左乳の方が大きくて、右乳の方が小さいような気がする。」

 

 妻からそのようなメッセ―ジが来た。そうか。左乳の方が大きいのか。自分ではどっちも大きな感触で厳密に比べようがないので、よくわからないなあと答えると、やっぱり左の方が大きい。左ばっかり揉むからだ、と言われるのだった。なぜ左ばかり揉むのか。これは明白だ。妻は常に私の左側にいたがる。すると、寝転がっている時に妻の乳に手を伸ばそうとする時、自分の左手はどうしても内側で折りたたまれた状態で流動性に欠けるので、遠い側の右腕を妻側に伸ばす。それがアーチを描いてちょうど妻の左乳に着地するのだ。少し妻から離れればそのアーチは右乳に着陸するのだが、離れると妻は「むー! くっつくの!!」とクレームを出して、磁石のようにくっついてくるものだから、アーチはどうしても左乳に着地せざるを得ない。着地をすれば当然揉みしだく。すると自然に左乳の方が大きくなってしまった。ということのようだ。ちなみに、揉みしだくついでに乳首コリコリも当然セットで遂行されるのだが、それは乳の大きさとは関係ない!と断言された。

 

 というような話をメッセージアプリ内で展開するものだから、だんだん乳を揉みたくなってムラムラ感が彷彿としてきた。ところが会いに行く日は次の週の予定だ。我慢するしかないなあ、と自分を抑えていると、妻から追加攻撃がきた。

「娘ちゃん、パパに会いたいなあ、会いたいなあ、って言ってる」

 

 そうなの? どうしたん娘ちゃん、いつにも増して会いたがってるなんて。抑制のガードが崩され始める。娘ちゃんは、パパと会ってたくさん遊びたいんだって、パパの時間を独り占めしたいんだって、と妻が言った。考えてみれば、別々に暮らすと決めた時、妻は十分な相談の下で決めたので納得。息子は当時4年生、2年間父と母のどちらと一緒に過ごすかの選択肢を与えた結果、2年間はこれまでの友達と過ごしたいからと父を選び、今は母の下にいる。が、その選択は自分で決められた。娘は当時小学校1年生。保護されるべき立場であり、選択権はなかった。最終的に妻のいる土地で過ごすことになるのだから、早めにそちらに行って馴染んだ方がいいという結論で妻に同行したが、娘に選択権はなかった。そもそも娘は両親のどちらかと別々に暮らすという現実を受け入れるには幼く、初めて別々の時を迎える時に一番わんわん泣いた。「ずっと一緒にいると思ってたのに。。。」当時7歳の娘がそう言って泣き崩れた。それを忘れることができない。

 

 妻との通信を切った後、週末の予定を調べた。自分は? 土曜午前仕事した後は日曜日までフリー。妻達は? 妻は土曜が休み、日曜は午後から仕事。子供達は? 夏休み。よし。行けば時間を一緒に過ごせる。新幹線の予約は? お盆だが大丈夫か? かろうじて往復分の予約をゲット。オッケー準備完了。翌日、妻にメッセージを送る。

 

私「週末そっちに行くことが緊急に決定した」

妻「え? ええええ????」

私「よろしくな」

妻「ほんとに来るの? ほんとに来てくれるの?」

私「まかしとけ。二人のいい女に求められたら、それを断るのは男じゃないやろ」

妻「びっくりした。でも嬉しい」

私「右乳、大きくしに行くから、待っとけよ」

妻「娘ちゃん、パパが来るってわかって、今すっごく喜んでるよ」