実際の女子学生のその後のキャリアは統計的にどうなの? - 東京医科大学の入試改竄の件

東京医科大学の入試で女子受験者の点数を下げて合格者の男女比を調整していた、というトピックがテレビでもネットでも盛り上がっています。女性差別だという話や、労働問題だという声など、色々な議論が湧き上がっていて、自分の問題に絡めて反応する人がとても多いできごとだったんだなと思いつつ、妻と話してました。

 

私「これさ。男女雇用機会均等法ができて30年以上たつけど、男性の方が医師として長くたくさん働く、って大学が言っちゃうほど、大学と世間との感覚がズレてしまってるんかなぁ、と感じたのが第一印象だったけど、でも仕事としてさ、子育てとかが女性に負荷がかかってるのが医師でも同じなんだというか、男性医師でも子育てで欠勤する医師が圧倒的に増えれば男女共に働きやすくなって、こういう受験時の男女差をつけなくても済むようになるのかなー、って考えたりするんだけど、実際に(別の大学の)医学部を合格したきみはどう思う?

 

妻「うーん、私立だから別に男女差つけていいと思うけど。実際女の方がそう長く働かない人が多いしね。てかね、東京医科大学でしょ? あそこ、基本金持ちお嬢さまが行く所だよ、女子は特に

 

私「へ?

 

妻「金持ちのボンボンが行く所だから、学費も高いし、お嬢さま教育を家庭で受けてた人が多いから入学も金持ちと結婚する目的なのがほとんどだし、実際医者と結婚しても医者じゃない金持ちと結婚しても、結婚したらほぼ医者は続けない。ほんと腰掛けばっかり。お嬢さまだからしんどいのとか嫌じゃん。そういう家庭で育ってるし。だから当直のハードなのは避けるし、診療科も眼科や皮膚科とかに偏るし、当然仕事第一じゃないし。だから東京医科大学ならそういう女子がたくさん入ってこようとするから、医療の現場で貢献していく人材をたくさん輩出したいという「正義」があるなら、女子は減らすよね。東京医科大学だったら、ね。

 

私「へえ。そうか。ということは、大学の出した『男性の方が医師として長くたくさん働く』というコメントは時代遅れコメントではなくて、現実に卒業生の進路を追跡した結果、あまりにも女子が仕事を辞めすぎて現場から「東京医科大学の女子はすぐ辞める」などといった声が届いて、大学の評判が下がっていく現実を客観的に見て、なんとかそれを改善したいという努力の声、かもしれないんだ?

 

妻「そうかもね。まあさ、東京医科大学は医学部の中ではそうレベルの高い所じゃないんだから、レベルの高い所じゃないから金持ちだけど学が微妙なボンボンが高いお金を払って行く所だからさ、減点されてもビクともしない結果出せや、としか思わないけど。どうせ腰掛けでしょ、と、あたしは軽蔑してた。あたしと同学年でそこ目指す人も、そんな人ばっかりだったし

 

私「それはそれは笑

 

これは興味深い話が聞けた。メディアはおろか、ネットでも聞けない論だった。そりゃそうだ。こんな論を展開すれば絶対叩かれる。さらにそんな統計もおそらく出てこない。「そんな統計」とは、「医学部を目指した目的? 金持ちと結婚するための箔付けですよ」と正直に回答させるような統計です。いやーそんなことバカ正直に回答する人は少ないだろうし、そんな統計をわざわざ取ろうとする動機もなかなかない。ゴシップ好きの雑誌やネットメディアならやりそう? 

 

なので、実際、東京医科大学卒の女子は卒業後どのようなキャリアを積んでるの? という統計があれば、今の東京医科大学にとってその選抜方法が合理的かわかる手がかりになるんじゃないかな、と思ったわけです。この統計で「卒業後5年以内に専業主婦が70%」なんて結果が出ちゃったら、そんなの男女差別とか労働問題とか吹っ飛んで、「東京医科大学の女子はそのパターンですよね」「大学側が社会貢献目指すなら男性優先で入学させないと仕方ないですよね」で落ち着いてしまう。

 

統計がないのでここまでの話はただの推論で信憑性を担保するものが何もないんですけど、大学側がこの時代に「男性の方が医師として長くたくさん働く」とコメントしてしまうって点で、差別もなにも、現実がそうなんだよ!! って可能性が結構あるんじゃないかって思ってます。